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「正面に飛んできたシュートなのに、ボールを後ろにそらして失点してしまう」
「キャッチできずゴール前にこぼして、相手にもう一度シュートを打たれてしまう」
キーパーをしているお子さんの試合を見ていて、
「もう少しキャッチングが安定したらな…」
と感じたことのある保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

特に、ゴールキーパーを始めたばかりの小学生の場合、
「ボールの掴み方」
「どこでボールを捉えればいいのか」
「どうすればボールのパワーに負けないのか」
そもそも正しいキャッチングの方法を教わる機会がないまま、試合に出ている選手も少なくありません。
キャッチングは、一見すると「飛んできたボールを掴む」というシンプルなプレーに見えます。
でも実は、ゴールキーパーにとって非常に奥が深い基本技術の一つです。

今回は、これまで300名以上のゴールキーパーと関わってきたGIFTゴールキーパースクール代表の広瀬が、
小学生キーパーに身につけてほしいキャッチングの基本から、正しい身体の使い方、キャッチミスが起きる原因、キーパー練習の方法まで詳しく解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください!
小学生GKがまず身につけたい「オーバーハンドキャッチ」
ゴールキーパーのキャッチングには、ボールの高さや状況によっていくつか種類があります。
その中でも、GKを始めたばかりの小学生にまず身につけてほしいのが、「オーバーハンドキャッチ」です。

オーバーハンドキャッチは、主に胸より高い位置に飛んできたボールをキャッチするときに使うテクニックです。
小学生のキーパーを指導していると、
「ボールを後ろへそらしてしまう」
「ゴール前にこぼして相手につめらてしまう」
こうしたキャッチングミスがよくよく起こります。
特に多いのが、先にキャッチングの形を作って、ボールが来るのを待ってしまうことです。
「え、それってダメなの?」
そう思われた方も多いのではないでしょうか?
実際、ゴールキーパーのキャッチングでは、「先に手の形を作って、ボールを迎えに行く」という方法が、一般的に正しいキャッチングとして紹介されることも多いです。
もちろん、ゆっくり飛んでくるボールであれば、この方法でもキャッチできます。
では、実際の試合で強いシュートが飛んできたときはどうでしょうか?

私はこれまで多くの小学生GKを指導してきましたが、先にキャッチングの形を作って待っている選手が、強いシュートを安定してキャッチできているケースをほとんど見たことがありません。
なぜなら、先に手を出して待ってしまうと、
「ボールを掴む」のではなく、「ボールが手にぶつかってくる」状態になりやすいからです。
特に、まだ身体が成長途中で腕や手の力が強くない小学生の場合、強いシュートの勢いに押されて、そのまま後ろへそらしてしまう。
あるいは、一度はボールに触れたものの、勢いを処理しきれずゴール前へ弾いてしまう。
これでは、練習ではキャッチできていても、試合で使えるキャッチングにはなっていません。

では、強いシュートでも安定してキャッチするためにはどうすればいいのか?
ここから、手の形・ボールを捉える位置・身体の使い方に分けて解説していきます。
キャッチングの基本は「逆ハート型」!正しい手の形とは?
オーバーハンドキャッチでは、両手を「逆ハート型」にしてボールを掴むことが基本です。

ポイントは、両手の親指と人差し指の位置。
左右の親指を近づけ、ボールの中心付近に親指がくるように手を出します。
小学生のキーパーによく見られるのが、キャッチする瞬間に両手が広がり、「W型」のような形になってしまうことです。

W型になると、左右の人差し指の間に大きな隙間ができます。
その状態で強いシュートを受けると、その隙間からボールが抜けて、後ろへそらしてしまう原因になります。
また、W型になっている選手を見ると、ボールの背後全体を両手で触ろうとしているケースがほとんどです。
ここで考えてほしいのが、基本的にシュートは地面にあるボールを蹴るため、GKへ向かってくるボールには下から上へ上がってきます。

だからこそ、ボールの背後をただ受けるのではなく、少し上からボールを抑えるように掴むことが大切です。

ボールの中心付近に親指を持ってきて、少し上からボールを抑える。
キャッチングが上手な選手は、ボールを掴むときに、小指が相手の方を向きます。
小指が上を向いていると、ボールの背後を捉えすぎている証拠なので、キャッチング後に確認していただくとわかりやすいです。
これが、強いシュートを後ろへそらさず、安定してキャッチするための基本になります。
キャッチングは「ボールを捉える位置」が重要
正しい手の形と同じくらい重要なのが、
「ボールを捉える位置」です。
GIFTでは一つの目安として、肘を曲げた状態で、肘よりもやや前方でボールを捉えることを大切にしています。

身体に近すぎても、遠すぎてもいけません。
たとえば、肘の真上や、それよりも身体に近い位置までボールを引きつけてしまう。
この位置で強いシュートをキャッチしようとすると、ボールの勢いに負けやすくなります。

では反対に、腕を思い切り伸ばして、できるだけ身体から遠い位置でキャッチすればいいのか。
これも違います。
腕を伸ばしすぎた状態では、ボールを掴むために手首を大きく起こさなければならなくなります。
この状態では、安定してボールを掴むことが非常に難しくなります。
さらに、強いシュートをその位置で受けてしまえば、手首へ大きな負担がかかり、怪我につながる可能性もあります。
自分が力を発揮できる適切な位置で、ボールを捉える必要があります。

そして、その「自分がプレーできる範囲」を考えるうえで重要になるのが、プレイングディスタンスです。
GKに必要な「プレイングディスタンス」とは?
プレイングディスタンスとは、ゴールキーパーが手の届く範囲のこと。
身体を運べば正面でシュートを処理できるエリアと思っていただければ大丈夫です!

実際の試合で飛んでくるシュートは、GKの真正面に飛んでくるとは限りません。
“正面付近”に飛んでくることはあっても、身体の中心にピッタリ飛んでくるシュートはほとんどありません。
少し右にズレたり、左にズレたり、高さが変わったり。
だからこそ、安定したキャッチングをするためには、飛んできた場所でそのままボールを捕るのではなく、ボールに対して自分の身体を運び、できるだけ身体の正面で処理することが大切です。

手だけを伸ばしてキャッチしようとすると、身体の力を十分に使うことができず、強いシュートに負けてボールをこぼしたり、後ろへそらしたりする原因になります。
反対に、ボールの正面へ身体を運ぶことができれば、万が一キャッチミスをした場合でも、身体がボールの後ろにあるため、そのままゴールへ抜けてしまうリスクを減らすことができます。
これが、安全かつ確実なキャッチングにつながります。
そして、そのために重要になるのが、プレジャンプの着地を利用して、足首から重心をボールの正面へ運ぶことです。
手だけで取りにいかない!足首を使ってボールの正面へ
ここでポイントになるのが、シュートに対する準備で行う「プレジャンプ」です。
GKはシュートに反応するために、シュートが打たれるタイミングに合わせてプレジャンプを行います。
そしてキャッチングでは、その着地を利用して、ボールの正面へ重心を動かすことが大切です。
ただ手をボールへ伸ばすのではなく、足首を使って自分の重心そのものをボール方向へ動かしていきます。
そうすることで、身体の正面から少しズレたシュートに対しても、ボールの背後に身体を運んだ状態でキャッチしやすくなります。
小学生のキーパーを見ていると、ボールが少しズレただけで、身体はその場に残ったまま、手だけを伸ばしてキャッチしようとする選手も多くいます。

キャッチングは手だけの技術ではありません。
構える。
プレジャンプする。
ボールを観る。
着地を利用して重心を運ぶ。
ボールの背後に身体を入れる。
適切な位置でボールを捉える。
ここまでが、一つのキャッチング動作です。
だからこそ、小学生のキーパー練習でも、ただボールをたくさん捕るだけではなく、
「ボールの正面に身体を運ぶこと」まで身につけることが大切です。
ここまで文章で説明してきましたが、実際のプレーを見るとより分かりやすいと思います。
下の動画は、埼玉ゴールキーパースクールでトレーニングしている選手のキャッチングです。
注目してほしいのは、手の動きだけではありません。
シュートが打たれるタイミングに合わせてプレジャンプを行い、その着地を利用して、ボールの背後に身体を運んでからキャッチしています。
ボールが飛んできた場所へ手だけを伸ばすのではなく、「ボールの正面に身体を運んで、身体の前で捉える」
GIFTでは、この一連の動きを大切にしています。
このように、キャッチングは「手の形」だけを覚えればできるようになる技術ではありません。
シュートに対する準備から、ボールの背後へ身体を運び、適切な位置で捉えるところまでがキャッチングです。
まとめ
今回は、小学生のキーパーに身につけてほしいオーバーハンドキャッチの基本について解説しました。
キャッチングというと、どうしても「手の形」に目が向きがちです。
しかし、強いシュートを安全・確実にキャッチするためには、
逆ハート型でボールを捉えること。
適切な位置でボールを捉えること。
プレジャンプの着地を利用して、ボールの背後へ身体を運ぶこと。
この一連の動きが大切です。
特に小学生のゴールキーパーは、まだ身体のパワーだけで強いシュートを抑えることが難しい年代です。

だからこそ、力任せにボールを掴もうとするのではなく、正しい身体の使い方を身につけることが、安定したキャッチングにつながります。
ぜひ一度、お子さんのキャッチングを振り返ってみてください。
この基本を繰り返し身につけていくことが、試合で強いシュートが飛んできても、安全・確実にボールを掴めるゴールキーパーへの第一歩です。



